政府の地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)は、分権改革への国民の関心を高めるため、丹羽委員長らが札幌市を皮切りに、全国各地を行脚して分権集会を開く。分権委が五月から順次行う勧告を前に、既得権益のはく奪を恐れる中央省庁が抵抗姿勢を鮮明にしており、世論を追い風にして省庁との協議を有利に運びたい考えだ。
全国行脚の第一弾は十一日午後二時から、札幌市内の北大学術交流会館小講堂で開く。丹羽委員長が講演し、国と地方の二重行政解消の必要性を訴える。道内は国の出先機関と道の行政圏域が一致しており、開発局をはじめ道に業務を移管できる出先機関が多いことが特徴だ。
「二重行政の見本市」とやゆされる北海道を分権集会をスタートする地域に選ぶことで、国民の関心を一気に集めることを狙う。
第二弾は四月二十二日に大阪府で、丹羽氏や分権委員会委員の猪瀬直樹東京都副知事らが参加して、地元自治体との討論会を開く。財政破たん寸前の大阪府の行財政問題などをテーマにする。
分権委が国民との集会を重視するのは、省庁の抵抗に加え、福田康夫首相が分権改革の推進に関心を示さないためだ。国民世論を喚起できれば、首相が政権浮揚策として分権推進に取り組む可能性があり、霞が関における四面楚歌(そか)の状況を打開したい考えだ。しかし、三位一体改革などで地方は疲弊しており、分権改革に国民の関心を集められるかどうかは不透明だ。
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