2007年12月8日土曜日
大統領選間近…エッチな風刺映画
<連載・水野俊平の韓流おもしろ雑学> 19日に韓国の大統領選挙が行われます。選挙に関する映画を1つ紹介します。「大韓民国憲法第1条」という映画です。タイトルだけ見れば、面白くなさそうな映画ですが、02年の封切り当時、相当な話題作として評価されていました。 ストーリーは風俗嬢の女性がある日突然、何を思ったか国会議員への立候補を決意。同僚の風俗嬢と文字通り体を張った選挙戦を展開、現職の議員を破って見事当選する、というもの。それだけか、と思われるかも知れませんが、実は韓国独特の内部事情ゆえに、実に妙な余韻を残すテイストに仕上がっています。 まず風俗嬢。儒教の国・韓国では風俗嬢は「淪落女」と呼ばれて非道徳的な存在とされています。韓国男性の相当数がお世話になっているのにもかかわらず、です。この映画でも主人公が警察や付近住民からさげすまれののしられるシーンが随所に登場。選挙運動でも風俗嬢出身だということで対立候補からさまざまな誹謗(ひぼう)中傷を受けます。 でも、対立候補の現職国会議員だって清廉潔白なわけではありません。むしろ陰では利権あさりばかりやっていて、人間的にはずっと汚い。選挙戦でも有権者に接待攻勢をかけるわ、札束は乱れ飛ぶわで無法地帯です。たぶん、この映画を指揮した監督は「誰が風俗嬢をさげすむことができるのか、おれたちの選んだ国会議員のほうがよっぽど汚いことやってるじゃないか!」という燃え盛る怒りの炎を胸に抱いていたに違いありません。あくまで想像ですが。まさに心の中で姦淫(かんいん)をなさぬもの、この女に石を投げよ、です。 ラストでは1票差で当選を決めたヒロインが国会議事堂に向かって歩み始めて、エンド。断っておきますが、内容はコミカルで社会派映画ではありません。18禁になったように、選挙の映画なのにエッチなシーンばかりで女性は嫌かもしれませんね。ちなみにタイトルは韓国の憲法第1条「主権は国民にあり、すべての権力は国民から発祥する」からきています…。 ◆水野俊平(みずの・しゅんぺい) 1968年(昭和43)1月5日、室蘭出身。北海商科大教授。登別南高(現登別青嶺高)-天理大朝鮮語学科。90年に渡韓し、全南大大学院国語国文学科博士課程修了後、同大の日本語講師に。05年帰国、現在は札幌在住。CS放送フジテレビ「韓タメ!DX」に出演中。
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