亡き高橋揆一郎さんに聴かせたい-。札幌の女優高木孔美子(くみこ)さん(73)が二十三日から、今年一月に七十八歳で亡くなった芥川賞作家の高橋さんをしのび朗読劇を札幌と江別で上演する。作品は高橋さんの代表作の一つ、「観音力疾走(かんのんりきしっそう)」。三十年来の友人だった高木さんは「高橋さんの前で朗読したかった」との果たせなかった思いを、追悼公演に託す。
高木さんはNHK札幌放送劇団に所属していた一九七七年、NHKのラジオドラマで、同年の北海道新聞文学賞受賞作「観音力疾走」を朗読。収録を前に、高橋さんがスタジオを訪れて激励した。
高木さんは「高橋さんは放送後『テープに録音して寝る前に毎晩聴いてるよ』と言っていました」と振り返る。その後二人は、共にテレビ番組の収録に臨む機会などもあり、互いに「おばば」「じっこ」と呼び合うほど親しくなった。
「観音力疾走」は、障害がある子供を抱えた女「ふさ」が夫に逃げられたものの、炭鉱で働く乱暴者と結婚するなど波乱の一生を描く。ラジオドラマ以来、作品を温めていた高木さんは二○○二年、朗読劇として舞台化して道内各地で上演してきた。高橋さんが見る機会がなく亡くなってしまったため、演出を務める札幌の俳優斎藤歩さん(42)とともに、今回さらに舞台に磨きをかけて追悼公演に臨む。
高木さんは「本番では、愚かだけど明るい、私なりのふさを演じたい」と意気込む。
札幌は二十三日、札幌・シアターZOO(中央区南一一西一、ファミール中島公園地下一階、道演劇財団(電)011・520・0710)、江別は二十五日、ドラマシアターども■(江別市二の二、(電)011・384・4011)。いずれも開演は午後七時、入場料二千円。
(北海道新聞より引用)
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